R35−LOVE 07
俺が真田の全身を弄っても真田はじっと黙ったまま何もせず、俺のされるがままだった。
俺はパジャマのボタンをひとつひとつ外していく。
月明かりに照らされた真田の裸体は無駄な肉がなく彫刻のように美しいと感じた。
首筋から下にかけて唇を這わせる。そして右の乳首を唇に含み左を指で摘むと「あっ」と小さな声を洩らした。
真田は静かに目を閉じて俺を拒否しているのか受け入れているのか全く判らない。
真田は父親になっている。ということは、この行為の意味を十分に理解している筈だ。
俺を受け入れてくれるというのか。
ゾクッと全身に快感が走り、躰の中心に熱が集まってくる。
「あっ、やめっ・・・ゆき、むらっ!」
パジャマのズボンの中に手を差し入れて真田の性器を掴むとさすがの真田も言葉を発した。
「やめられないよ、男なら解るだろ。こんなに堅くなってんだから・・・」
真田の手を取って俺の性器を握らせるとその熱さと堅さに驚いたのか躰がビクッと小さく跳ねた。
俺は真田の下半身に顔を埋めた。
下着をおろして、現われた性器の先端に口付ける。
びくりと跳ねる腰を抱きこんで、蜜を垂らして震える性器を口に含んだ。
「やっ・・・あぁっ・・・やめっ・・・あ、あ・・・」
途端に、真田の口からひっきりなしに喘ぎ声が漏れ出す。
よっぽど気持ちいいんだな、って思って、俺はさらに熱心に舌を使う。
男なら感じるであろう気持ちいいところを、全部刺激してやって、最後に先っぽのところをぐりぐりしてやった。
その頃には、真田の内腿がふるふると小刻みに震えだして、そろそろ達しそうなんだなってことが伝わってきた。
「ゆ、きむらっ・・・離せっ!」
聞こえてくる真田の言葉を無視して、俺は射精を促すように、思いっきり先端に吸い付いた。
「っ・・・!ちょっ!やめっ・・・あ、ぁ・・・んっ・・・!!」
俺の肩を掴んでいた手にぐっと力がこもると、口の中に苦い味が広がって、真田が達したのがわかった。
余韻で震えている真田のものに舌を絡めて、濡れた液を全部舐め取る。
口を離して、全部きれいになったのを確認して満足していると、側に置いている鏡台に化粧水のボトル類に混じってベビーローションが置いてあるのに気が付いた。
「ベビーローション、もらうよ」
俺はたっぷりと指にベビーローションをつけて真田の後孔につぷりと潜り込ませてやった。
「うっ・・・」
さっきまでの喘ぎ声とは違う苦しそうな呻き声が聞こえたが、俺は気にせず真田の後孔を解す事に専念した。
濡れた水音を立てて指を離すと、俺は急いで真田の窄まりに自分のものを擦り付けた。
「挿れるよ」
一応宣告しておいてから先端をずるりと中へ潜り込ませる。
「うわぁぁぁぁぁっっ・・・っつ・・・・・・」
真田の絶叫が部屋に響いた。
俺はとうとう真田と肉体関係を結んでしまった。
真田の中は、さっき指で触ったとおり、あったかくて、どろどろに溶けてて、やばいくらい気持ちいい。
時間をかけて全部入れ終わると、俺は動くのをやめて、そのままじっとしていた。
じっとしていた理由は、いきなり動いたら真田に負担がかかるっていうのもあったけど、俺だって少しは休憩しないと、あまりの気持ちよさに俺が達しそうだったから。
動かないで荒い息を整えていると、萎えてすっかり窄んだ真田の性器が見えた。
それにそっと指を添えて再び刺激をしてやる。
「あっ・・・」
途端、中がうねって俺をすごい気持ちよく締め付けてくる。
「動くよ」
ゆるゆると動き出すと真田の口から小刻みに吐息が洩れた。
今、俺は真田とセックスをしているんだ。
非現実が現実になった今、俺はただただ目の前の快楽のみに興じている。
ずっとこうしたかった。
忘れようと何度も心の奥底に封印しては、封印しきれずに溢れ出る想い。
「愛している、真田」
一回腰を引いてぎりぎりまで出た後、奥まで一気に貫く。
「あぁっっっ・・・」
苦しいのか、真田の腕が宙を彷徨う。
その腕を俺の首に絡めさせると再び最奥まで貫いた。
「ああぁぁっっっっ・・・ゆき、む・・・ら・・・・・・」
うわごとのように呟きながら、真田が俺の首にしがみついた腕を強めた。
「真田、そろそろ俺も限界だ」
俺は真田の性器に指を絡めた。
張り詰めて濡れまくったそれを、奥を突く動きと合わせて擦り上げる。
前を触ると、中の襞も小刻みにうねって、俺は頭の中がくらくらする快感を味わっていた。
「あ・・・やぁっ・・・あぁっ!!」
真田が一際大きな声を上げると、手の中にじんわりと暖かいぬめりが広がった。
ほとんど同時に、締め付けられた俺も達した。
次の朝、目覚めてすぐに見えたのは、俺の腕に抱かれて眠る全裸の真田だった。
そして俺も全裸だ。
とうとうやってしまったな・・・・・・
昨夜の行為がフラッシュバックする。
真田の痴態、真田の喘ぎ声、真田が達した時の開放感に満ち溢れた顔。
こんな間近で真田の寝顔が見られるのは初めてなのでじ〜っと見てしまう。
整った鼻筋、瞑っていても力強い目元。こう見ると真田はなかなかの男前だ。
その男前が不意に目を開けた。
「真田、おはよう」
真田は自分の置かれている状況に一瞬驚いたような顔をしたが、直ぐにいつもの険しい顔に戻った。
「風呂の準備をしてくる、っっつっ」
半身を起こした真田が辛そうに顔を顰めた。
そりゃそうだ、初めて男を受け入れたんだから腰の負担はかなりだろう。
「ごめん、無理させてしまって」
咄嗟に辛そうにしていた腰に手を当てたらいきなりその手を振り払われた。
「幸村、昨夜はお互いかなり酔ってたみたいだな。これは酔った上での行き過ぎた行為だ。今回は許してやる。これからはお互い飲みすぎないようにしよう」
そう言って真田は風呂場の方へ行ってしまった。
どうやら真田は昨夜の出来事をなかったことにするらしい。
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