| Flambee Montalbanaise 3
 音楽あふれるカフェにて〜フランベ・モンタルバネーズ
 
 
 
 
 
 
 
 
 「俺に構わないで。やさしくしないで」「どうして・・・・・・」
 
 
 
 
 菊丸はベッドに腰を掛けて俯いた。
 「大石のやさしさについ甘えてしまうから・・・何でも大石を頼ってしまうから・・・・・・」
 「英二・・・」
 大石は菊丸の前にしゃがんで下から菊丸を見上げた。
 「辛い時は何でも俺に頼っていいんだ。無理して独りで抱えこむんじゃない」
 大石の手が膝の上に置かれていた菊丸の手に重ねられた。
 「///やっ・・・離してっ!触らないでっ!」
 菊丸が慌てて大石の手を振り払った。
 「英二っ、どうしたんだ。いつもの英二らしくない」
 大石は振り払われた反対の手で菊丸の腕を掴んだ。
 「離して・・・」
 菊丸は大石から顔を背けて呟いた。
 「離さない・・・」
 大石は静かに言った。
 「ドキドキするんだ」
 「え?」
 「大石の側にいたら、大石に触れられたら・・・ドキドキするんだ。だめだよ・・・俺・・・今、大石に甘えてしまったらきっと大石から離れられなくなる。だから距離を置きたい。だから嫌いじゃないんだ。むしろその逆で・・・」
 「英二っ」
 大石は掴んでいた菊丸の腕を引き寄せ菊丸の身体を自分の胸に抱きしめた。
 「ば、馬鹿っ・・・離せって言ってるだろっ!」
 菊丸は大石の腕の中で暴れたが大石は余計に菊丸の身体をより強く抱きしめた。
 「無理することはない。無理するとまた怪我するぞ。自分の心のまま正直になれよ」
 「やっ・・・やだっ離せっ!」
 大石はまるで子供をあやすかのようにポンポンと菊丸の背中を叩いた。
 「やめろ・・・大石・・・頼むから・・・」
 「英二、肩に力が入りすぎている」
 大石は腕の力を緩めずにずっと背中を軽くポンポンと叩き続けている。
 「・・・やだ、大石・・・」
 口では拒否の言葉を並べているが菊丸の身体からはだんだんと緊張感がほぐれていく。そしてやがて大石の腕が心地よく感じられるようになっていった。
 
 
 
 「大石・・・ありがとう。少し楽になった」
 菊丸が大石の腕の中で大人しくなってしばらくして菊丸は大石の胸に顔を埋めたまま言った。
 「そうか・・・」
 部屋に沈黙が流れた。大石は菊丸を抱きしめたままで菊丸は抱きしめられたままで時間だけが流れていった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 「俺、大石に頼ってもいいよね。辛い時は大石に甘えてもいいよね」
 菊丸の腕が大石の首に絡みついた。
 「ああ、だからもう無理はするな」
 どちらからともなく二人の唇が重なった。軽い触れるだけの口付け。
 「ストップ!」
 唇が離れた途端、大石は人差し指で菊丸の唇を押さえた。
 「!!!!!」
 「今日は前みたいなキスはだめだよ。歯止めが利かなくなる」
 「・・・・・・いいよ、利かなくなっても。夜まで誰も帰ってこないし」
 「でも足が・・・」
 「じゃあ、やさしくしてよ」
 「俺はきっと理性を押さえられなくなるぞ」
 「それでもいい・・・」
 菊丸が強引に口付けてきた。
 
 
 それが合図だった。
 大石は菊丸の身体を抱え上げるとそっとベッドに横たえた。
 制服のシャツのボタンをひとつひとつ丁寧に外していくと菊丸の白い素肌が現れた。
 「綺麗だよ、英二」
 大石は胸の飾りに軽くちゅっと口付けた。
 「あ、・・・やぁんっ・・・」
 菊丸の身体がビクッと反応した。
 「英二、かわいい」
 大石は赤くなった胸の果実を指でピンとはねた。
 「んゃぁぁ・・・・・・」
 ピンとはねた右の乳首を指先でこね回し、反対側の乳首を口に含み舌先でなぶるように触れる。大石の口腔内は熱くて、そのまるで生物かのような舌の動きは菊丸の身体に快楽を与えていった。
 「あぁんっ・・・・・・ぁぁん・・・」
 普段のアクロバティックなテニスプレイの菊丸からはとても想像つかないような甘い声が部屋中に響く。その声が大石の耳に届くたびに大石は自分の下肢が熱くなっていくのが感じられた。
 
 「(英二がこんなにも官能的で煽情的だったなんて・・・・・・これも不二に開発された所為なのか・・・)」
 
 「んぁぁぁぁん・・・ああん、ぁぁぁぁぁん・・・」
 菊丸が胸元に埋められている大石の髪に指を絡めようとした。
 
 「(英二・・・無意識の行動なのか?いつもストレートヘアの不二の髪に指を絡ませていたのだろうか・・・)」
 
 「んんんぁ・・・ぁ・・・ふっ・・・・・」
 左の胸を十分に堪能すると今度は右胸にちゅっと口付けし、口に含み強く吸い上げると同時に大石は空いている手を下半身へと滑らせ、与えられる快楽によって高まった花芯を服の上から探り出す。
 「やぁぁぁん・・・」
 菊丸の高まって反応し立ち上がろうとしている花芯をズボン越しに擦る度に菊丸の口からは甘い吐息が漏れる。
 「あ・・・ん・・・も、もうダメ・・・焦らさないで」
 菊丸は涙目になって大石を見上げた。そんな菊丸に向って大石はやさしく微笑むと菊丸のベルトを外し、ズボンを下着ごと勢いよく脱がせた。
 「あんっ・・・・・・」
 露になった下肢を大きく開かせ押さえつけると菊丸自身が勃ちあがりきっていて先端から先走りの雫が溢れていた。
 「やだ・・・そんなに見ないで・・・」
 「可愛いよ、英二」
 大石は菊丸の根元を掴むと先端を口に含んだ。
 「ひゃぁぁぁぁん・・・ああん」
 先端を舌で刺激して幹に手を滑らせて愛撫する。
 「んぁぁ・・・・・・んんんぁ!!・・・ぁぁぁん」
 幹から先端に向って舐め上げ、精液が溢れる場所を甘噛みする。
 「はぁ・・・んぁ・・・ん・・・」
 太股に口付けし、大石がそこに跡を残そうと強く吸った瞬間、花芯から雫がトロトロと溢れ出す。菊丸の身体にゾクゾクっと電気のような衝撃が走る。
 「あぁん・・・もっ・・・もうダメ、出ちゃう・・・」
 「いいよ、出して・・・」
 大石は菊丸の先端の割れ目を引っ掻くように人差し指で擦った。
 「ひゃぁぁぁぁ・・・ん・・・ぁぁ・・・・・・」
 菊丸は大石の掌に白い液を吐き出した。
 「はぁ・・・・・・はぁ・・・・」
 菊丸は肩で大きく息をして呼吸を整えている。
 「・・・ごめん、大石、手汚しちゃった」
 「汚れるなんて思っていないよ。英二のだから」
 そう言って菊丸に見せつけるかのように精液にまみれた手をぺろりと舐めた。
 「・・・・・・大石のえっち」
 菊丸は顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。そんな菊丸を見て大石はクスリと微笑んだ。
 「そうかもな。英二のこんな姿見せつけられたらえっちになってしまうよ」
 大石は横を向いている菊丸の顎を掴んで正面を向かせる。
 「愛している、英二」
 軽く重ねられる唇。何度も何度も軽いキスを繰り返す。
 「んっ・・・・・・んんんっ!」
 唇を塞がれたまま菊丸が苦しげに悶えた。大石が菊丸の蕾に指を差し入れたのだ。
 「やぁぁぁぁん・・・・・・」
 ぐちゅん、と音を立てて菊丸の中に入った大石の指が動かされ始めた。
 「ひぃんっ」
 菊丸の口から甲高い声が上がる。
 「ちょっと我慢しろよ」
 中に挿れた指を自在に動かして、菊丸の快感を再び高めていく。
 「あ・・・ぁぁん・・・ぁぁぁぁぁん」
 頃合を見計らって大石は指を2本に増やした。
 「やん・・・・」
 2本の指で中を掻きまわし、指が届くぎりぎりの所まで突き上げる。
 「お、大石ぃ……早くしてぇっ……」
 「何だ、もう我慢出来ないのか?」
 指の動きを止め、菊丸の表情をまじまじと見つめる。
 ほんのり赤くなった頬と潤んだ瞳。
 「指じゃ……やだ」
 微かな声で言う菊丸の言葉。大石はその言葉をしっかり受け取って再びキスを落とす。
 「------んーっ!!」
 狭い道を大石が押し入っていく。
 中へ中へと押し入って行く間、菊丸の声を飲み込む為に口は重ねられたままで。
 「------動いてもいいか?」
 大石の言葉に菊丸はこくりと頷く。それを受け取ってから大石は腰を動かし始めた。
 「ひゃっ……あっ……」
 上下に揺さぶられ、中を出入りする大石に菊丸の快感が頂点に向かいだす。
 「あ……熱いっ」
 内壁の快楽ポイントを探られる度に菊丸の身体に衝撃が走りビクビクと震える。
 「あぁっ・・・・・・! ん、あんっ」
 「・・・くっ・・・」
 身体の中の大石を締めつけてしまって、大石も苦しそうに呻いた。抜けてしまいそうなくらいに引き出し、奥まで貫く。激しい動きに、二人の身体の間に挟まれた菊丸自身は強く擦られ、痛いくらいに張り詰めている。
 「も・・・っ、駄目っ・・・やあああっ」
 すがるものが欲しくて大石の背中に腕をまわす。腰をうちつけている大石の背中や額にも汗が滲んでいる。
 「ああ―――――っ・・・やっああっ、んあっ」
 激しい衝撃に耐え切れず菊丸がなりふりかまわずにしがみついてくる。絶頂が近づいてくる。
 「ああああぁぁぁ―――――――ぁっっ!」
 びくびくと痙攣するように身体が震え菊丸の目の前が真っ白になった。その時壁に貼ってあった写真の中の不二と目が合った。
 「ああぁぁっ!・・・あ、ふ、不二・・・・・・」
 菊丸は自身を弾けさせ大石も菊丸の深いところに精を放った。体内で脈打つものを感じながら菊丸は意識を手放した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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