Love Morning



その朝、俺は早く目が覚めた。


不二よりも早く ―――――





昨夜また不二に愛された。
とても優しく、紳士的に。
そんなこと言ってみても俺は不二しか知らないんだけどね。


俺を包み込む様に抱いて眠っている不二の顔を至近距離で見る。
一定のリズムで寝息が聞こえる。

不二、本当に眠っているんだ。

俺は不二の眠っている姿を見たことがない。
情事の後は俺の方が先に眠ってしまうし、激しく愛されて意識をなくしてそのまま朝を迎えることだってあるし。
なんか得した気分vv
そういや乾が夏合宿の時に不二の寝起きをビデオに撮影しようとしたけど不二ったら乾が来る前に目が覚めてて狸寝入りしてたんだって。乾が悔しがっていたよ。



整った不二の顔。
鼻筋はとおっていて、
閉じられた睫毛は長くて、
薄く閉じられた唇は薄紅色で、
そして、柔らかい。

俺はそっと軽く触れるだけのキスをした。

不二は気付かずにまだ眠っている。
朝日がカーテン越しに差し込んでそれがソフトフォーカスの役割をしてて不二の顔を柔らかく、そして優しく俺に見せている。
本当にキレイだ。不二って。
だから学校で凄くモテるんだよね。
けど、
けど不二が選んだ人は俺だった。
最初は冗談言われてるんじゃないかと疑ったけど、
不二の俺への視線はあまりにもまっすぐで、
俺も不二の愛に応えた。
トモダチからコイビトになった不二は今まで俺の知らない色々な表情を見せてくれた。
試合中とはまた違うとても真剣な眼差しの不二。
学校で微笑んでいるのとはまた違うとても温かい微笑の不二。
俺を求めてくるときに見せる欲情した瞳の不二。
そして今はじめて見る寝ている不二。

この不二の寝顔って俺だけしか見れないんだよね。
そう思うと嬉しくなる。
つーか、不二ってやっぱり世間の人間並みにちゃんと眠るんだ。
だって不二ったら乾汁だって平気で飲んじゃうし、
激辛料理を平気で食べちゃうし、
にこにこ笑いながら裕太君苛めてるし・・・・・・。(苦笑)

今、俺の目の前で生まれたままの姿で眠っているのは『素の不二周助』

きっと誰も見たことないんだろう。
いや、この不二は誰にも見せたくない。
これは俺のわがままだって解っているけど。
俺一人だけの視界に収めていたい。



でも、
そろそろ起こさないといけない時間かな?
どうやって起こそうかな?
不二が目覚める時ってどんなのだろう?
ものすごく寝惚けていたりして………(汗)
ものすごく不機嫌だったりして………(汗)

わくわくしてくる。

これから初めて見る不二の寝起き。


俺は不二の首に腕を絡めた
不二の唇に自分の唇を重ねる

そして

不二が目覚めるように

強く


強く唇を吸い上げた。










fin



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