構ってちゃん



六角中戦D1の試合の最中、樹希彦はネット越しに菊丸に「なんでなんで?」と質問攻めにした。
しかし菊丸は
「さあ〜、にゃんでかにゃ〜!」
とあっさりとなんで攻撃をかわした。



「なんだぁ〜、アイツ」
「気を逸らすつもりだアノ野郎」
コートを見守る桃城と海堂がそんな樹を見て怒りを露わにする。
しかしそんな血の気の盛んな二人を静めるかのように乾が言った。
「じゃあ、相手が悪かったな。菊丸は注目されれば余計に頑張るタイプだからな」


そんな3人の会話を聞いていたリョーマが呟いた。
「菊丸先輩って『構ってちゃん』だし・・・」

「だからっておめー、この前英二先輩に手ぇ出しかけたのはやべーよ!」
「桃先輩だってダブルス組んだときに『目の前で先輩の背チラが拝めた』って喜んでいたじゃないすか」
「ば、馬鹿越前大声で言うなって!!!」
「だって菊丸先輩可愛いんだもん、なんか見てたらつい押し倒したくなるんだよね・・・」
「ば、馬鹿越前、声を静めろ!コートの中に聞こえる!」
とあわててリョーマの口を塞ぐ桃城。
「う・・・うぐっ・・・」
「越前、しばらく喋るな。今度はロッカーに蛙の死骸を入れられるだけじゃ済まないぞ」
「う・・・」
無理矢理桃城の手を離すリョーマ
「だって、菊丸先輩が不二先輩のものだなんて知らなかったし・・・」
「見てりゃ解るだろ!つーか解れ!」

リョーマと桃城のとても公共の場でするにはふさわしくない会話に周囲の青学メンバー達は固まるだけである。

「でもしょっちゅう菊丸先輩は俺に抱きついてきますよ」
「それはおめーを猫か犬のように扱っているだけだっ!」
「そんな時桃先輩って俺のこと羨ましそーな目で見てるくせに」
「見てない見てないっ」
「今度俺からも抱きついてみよかな」
「うわー!越前大きな声でそんなこと言うな!不二先輩に聞こえる!」



「桃、越前、二人で今から会場周辺20周ランニングして来い」
大石部長代理の鶴の(?)ひと声でやっとこさ暴走会話に終止符が打たれた。












その後会場内の水飲み場で胃薬を飲む大石の姿が見られた。
「たのむ・・・手塚、早く帰って来てくれ・・・・・・俺、もうこのチームをまとめられる自信がない」






















なんとなくリョマさんが攻め攻めしているように見えました。













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