〜 ten years after 〜 10年後の日常(番外編)
† dinner 4.5 † (注)dinner4の裏話
「同じゼミの奴がさ、『テニス部の部長の手塚がS通り3丁目のコンビニでバイトしているのを見たぞ』って言ったんだ。それで俺がまさかそんなことはないだろうと思いながらもつい確かめたくなってS通りのコンビににこっそりとに行ったんだ。外からこそっと見たんだけど手塚がコンビニのジャケットを着てレジの前に立っているのを見たときにはマジでびびったよ」
「そうそう、あの時の英二おかしかったよね。僕のゼミの教室にいきなり『手塚がレジにいる』って叫びながら飛び込んできて僕と佐伯をひっぱりだしてS通りまで連れて行ったんだよね」
「それは授業中にか?」
「まさか!いくらなんでもそこまでやらないよ。不二の授業が終わるのを待って飛び込んだんだよ」
「いきなり僕達3人がコンビニに現れたもんだから手塚も一瞬怪訝そうな顔をしたね。でもすぐに営業スマイルしていたよ」
「手塚が営業スマイルか!?」
「ああ、口元がかなりひきつってたけど」
「だから俺が中等部の頃から『表情が硬い』って忠告してたのに・・・」
「手塚にはいい社会勉強になっただろうな」
「そういや越前って何のバイトしてたの?」
「俺はバイトをしたことないっス」
「ええ〜バイトしたことないの!?」
「家業の手伝いしてたんスよ」
「そういや越前の家って寺だったよね。お経あげてたりしたの?」
「俺は坊主の免許持ってないんで読経はやらないっス。葬式やるときに祭壇組み立てたり受付やったときもありましたね・・・あ、そういやうちと関わっている葬儀屋にずっと手伝いに行ってたんで葬儀屋のバイトしてたことになるんスかね?」
「葬儀屋のバイト・・・・・・」
「確かに越前のように愛想なくても十分できる仕事だよね・・・」
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